『嘘つきなふたり』

今日は武田綾乃さんの著書、『嘘つきなふたり』を読了しました。

嘘つきなふたり [ 武田 綾乃 ]

あらすじ(ネタばれない)

小学校の時、同じクラスの友達だったふたり。

ある日偶然の再会を果たす。

ふたりはいつかの修学旅行を再現する旅行に出るが、それは犯罪者として逃亡する旅でもあって…

ふたりの嘘は・・・

自分が〇〇を殺した。

ふたりは同じ嘘をつく。

嘘には自分のためにつく嘘と、人のためにつく嘘があるというが、この本の中ではどちらにも分類しにくい嘘が出てくる。

その部分の考察がとても面白かった。

ちるちるの抜粋

※ネタばれない程度にしていますが、まっさらな気持ちで読みたい方は注意 

二人分の影が、前に進む度に私達を追い掛けた。

嘘つきなふたり(武田綾乃)

「人生なんて基本的にクソだって、皆自覚すべきなんだよ。良い人生なんて求めてたら一生しんどい。マシな人生でいいんだよ。昨日よりも今日、今日よりも明日。クソみたいな毎日を少しずつマシにしていくんだ。」

嘘つきなふたり(武田綾乃)

誰からも失望されない、無害な人間に。

噓つきなふたり(武田綾乃)

「(前略)自分の意思で何かを選ぶことに……世界と戦うことに、疲れちゃったの。(後略)」

噓つきなふたり(武田綾乃)

感想

最後に少しだけ温かく、でも少しだけ重い、読了感が味わえる本です。

ふたりの女の子たちが、徐々に仲良くなっていく姿。

人との出会いが人を作り、人を変える。

「選ばない」ことを「選ぶ」という矛盾。

どこにもやることができない罪悪感。

それでも人生は続いていくし、どう生きていくかは自分の意思で決めていい。

一人では強くなくても、誰かがいると強くなれる。そんな誰かのために強くなりたい。

嘘つきなふたり [ 武田 綾乃 ]

心を奮い立たせる勇気が詰まっている本です。

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